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【二卒】IT完全未経験の第二新卒が、入社から1年で案件管理者になった話(後編)

おさらい


※こちらは全2回の内の後編です。先に前編をご覧いただくことをお勧めいたします。前編はこちら

新型コロナウィルス感染症に伴う緊急事態宣言を機に、フリーターを卒業して地元の不動産屋に就職した僕。 なんの計画性もなくMINIクーパーを新車購入したところから運命は動き始めます。
SHIFTとの出会い、入社研修、右も左もわからぬまま迎えた配属と、突然のプロジェクト終了。 そんな僕を待ち受けていたさらなる壁と、その先に広がっていた世界とは、、、



大規模案件が打ち切られたとあって、振り返りは錚々たるメンツで行われた。 PMはもちろん、G長にG長補佐、参考意見を出すためか他案件のSMG(サービスマネージャー 以降:SMG)なんかも参加していた。

僕はファシリテーターを務めた。(なんでだろう)

そこで他案件のSMGが僕に目を付けてくれた。 「管理者やりたいんだって?アジャイルで統計とかデータサイエンス系だからちょっと難易度高いんだけど、見習いからやってみる?」

アジャイルも統計もデータサイエンスもわからない。必殺技の名前みたいだ。 けど、前の案件の管理者はカッコよかった。何も恐れるものは無い。

半年前までIF文を知らなかったはずの僕は、アジャイルQA 兼 案件管理者見習いになった。

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ポイントその⑥ 偉い人がいるところで、前に出た
ポイントその⑦ 「できない」ことを、恐れなかった
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「そういえば、IT未経験なんだってね。簡単に説明するね。この顧客のプロダクトはこの前までPythonで書かれてたんだけど、最近Go言語にリプレイスされて、、、」

入社2日目以来の衝撃である。
ぱいそん?ゴー言語?リプレイス?

「えっPythonっていう単語も知らない?」

目の前の上司が僕と同じ顔をしている。 案件管理者になるために、僕はようやくITの勉強を始めることになった。

初めてのシステム開発、そして


一つ困ったことがあった。前編冒頭でも触れた通り、僕は勉強が大嫌いなのだ。 参考書や教科書を読むのが嫌い、英単語も覚えられない。

かろうじて「HTMLってメモ帳アプリがあれば書けるんだぜ」と聞いたことのある僕はひらめいた。

面倒な勉強はすっ飛ばして、とりあえずWebアプリを作ってみよう。

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ポイントその⑧ 細かいロジックは置いといて、とりあえず手を動かした
ポイントその⑨ わからないことを言語化して、検索窓にそのまま打ち込んだ
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とりあえず、登録したデータがなんで画面に表示されるのかが分かれば他はどうにでもなる気がしたので、

  • ログインして

  • ガチャを引いて

  • サッカー選手が当たって

  • コレクションできる

これだけの仕組みを作ることにした。

仕事が終わった後、夕飯を作って風呂に入って赤ん坊を寝かしつけて、2時間くらいPCに向かう。
こんな生活を1か月ほど続けたら、目の前には、サッカー選手のガチャゲームが出来上がっていた。

Pythonの存在も知らなかった僕が、いつのまにか「変数」や「SQL」、「ライブラリ」を扱えるようになっていた。あっという間の出来事。

「プライベートを犠牲に、身を削って努力したんでしょ?」と思う人がいるかもしれない。Noだ。

仕事、家事、育児もやっている僕が片手間でできたのだから、誰にだってできる。 普段YoutubeやTiktokを見ていた時間を、1か月だけプログラミングに変えるだけ。

在宅勤務だとこんなもんで済む。移動時間がある人は電車の中でも勉強はできると思う。

「あなたがたまたまプログラミングの天才だったんでしょ?」・・・これもNoだ。

最初の一歩さえ踏みだせば、プログラミングやHTMLは意外とフレンドリー。

例えば、学生時代の僕を苦しめた「サインコサイン」や「ありおりはべり」は、僕の目にはこう見えていた。

どうやって倒したらいいか全くわからない。 おそらく、特別な対策をせずに近づいてはいけないタイプの敵だ。存在そのものが災害みたいなもので、当然話し合いは通用しない。

対して、Pythonの関数やSQLはこれくらいのイメージ。

手ごわそうだけど、一生懸命攻撃すれば剣でも倒せそうだ。なんなら、人語を理解して仲間になってくれる可能性すらある。

僕にとっては、歴史上の偉人を50人覚えるより、CSSができることを10個覚える方がよっぽど簡単で有意義だった。
Pythonの関数を5個覚えるだけで、英単語を100個覚えるより圧倒的に実用価値のある知識が身についた。
おまけに、わからなければ調べていいのだ。
学校の1週間のテスト期間に比べたら、開発に向き合う1か月はあっという間だった。

そして、大げさでもなんでもなく、たったこれだけで僕の世界は変わった。

※ちなみに、かけたコストの半分くらいはうまく動かなくて調べている時間。今ならAIに添削させればさらに学習コストはさらに少なくなると思う。 ※僕の場合は思いのほかハマってしまい、ロゴデザインとか勉強に関係ない部分までこだわったせいで多少寝不足になった。これは勉強時間ではないのでカウントしないこととする。

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ポイントその⑩ 1か月だけ集中して、世界を変えた
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自分でWebアプリを作ってみて、顧客の会話に出てくる横文字の意味、仕様書に書いてある図の意味、なぜテストが必要か、etc、、、 いろんなことがわかるようになった。

SMGと顧客が僕を正式な案件管理者として認めてくれたのは、見習いになって5か月がたった2022年10月のこと。

ちょうど1年前オートSUMに大喜びしていた僕は、こうしてSHIFTでアジャイルQA兼案件管理者になった。

まとめ


入社から1年間、僕がやってよかった/意識したポイントをここまでで10個挙げました。

  • ポイントその① 欲しいものを、欲しいタイミングで買った

リスクのある話なので、無責任におすすめはできません。が、「ステータスが上がるような買い物をすると、生活レベルがそっちに引っ張られる」みたいな話があるのも事実です。僕は欲しいものは早く手元に早く欲しいタイプなので、金利は自分への投資のつもりでローン組んででも買います。その分稼ぐのが当たり前になるし、全然貯金もできないので、堅実/着実に人生を送りたい人には全くおすすめしません。

  • ポイントその② 「自分にしかできない経験」を、逃さなかった

「与えられた仕事ちゃんとできる人」「シンプルにいい人」はたくさんいます。つまり、どんなにちゃんと仕事をしていても、ライバルの多い大きな組織にいるときは埋もれてしまうものです。

目立ちたかったり、人より給料が欲しかったりするなら、何らかの特異点を作ることは必要だと思います。

  • ポイントその③ 情報を素直に受け入れて、体験にした

SHIFTのクレドにもありますが、素直さは大事です。SHIFTにはいい意味でおせっかいな人がたくさんいるので、取りに行かなくてもためになる情報があふれています。それらをどれだけまっすぐインプットできるか、そしてアウトプットして自分のものにできるかが大切です。

  • ポイントその④ 研修でやったことを、そのまま現場でも実践した

せっかく教わったのに、アウトプットが苦手な人って多いと思います。多分だいたいは考えすぎ。「研修は失敗できる環境だから貴重」みたいなことを僕もよく言いますが、現場で失敗している人だってたくさんいるし、失敗が起きないならマネージャー職ってこの世に必要ない。とりあえずやってみる。現場の緊張感の中でした失敗だからこそ、得るものたくさんあります。

  • ポイントその⑤ 誰にでもできることを、意識してやり通した

できることが少ない時期でも何かしらの武器があると思います。一見短所に見えるような特性も、目線を変えれば長所です。技術や知識が無くてもできること、たくさんあると思います。「自分はダメだ」と思わず、武器を貫き通してほしいです。

・仕事が遅い→1つの資料を見ている時間が長いという武器
・ミスが多い→たくさんの失敗経験を持てるという武器
・目の前の作業に集中できない→他人の仕事に関わっていけるという武器(強引)←僕はこれ。

うわー、ポジティブぅ。。。

  • ポイントその⑥ 偉い人がいるところで、前に出た

名前覚えてもらえるだけでチャンスが増えます。これは苦手な人はホントに苦手だと思うので、無理しなくても良いと思います。確率の問題でしかないので。

  • ポイントその⑦ 「できない」ことを、恐れなかった

さっきもちょろっと書きましたが、現場で失敗している人はたくさんいます。むしろ失敗して振り返った瞬間ほど成長できる瞬間はありません。これは、個人も組織も同じだと思っています。

  • ポイントその⑧ 細かいロジックは置いといて、とりあえず手を動かした

考えてわからないなら考えない。とりあえずやってみる。百聞は一見に如かず、百見は一失敗に如かず。

  • ポイントその⑨ わからないことを言語化して、検索窓にそのまま打ち込んだ

今は生成AIがあるのでもっと便利です。 プログラミングの経験したければ、

「Pythonでサッカー選手のガチャを実装してください」
「上記のコードを、関数の意味から解説してください」

と聞けばこれで済みます。うまく動かなければそれも伝えれば原因を教えてくれます。

  • ポイントその⑩ 1か月だけ集中して、世界を変えた

一歩踏み出すことって腰が重いと思います。 僕はもう後がなかった(てかずっと後が無い)のでやるしかありませんでしたが、実際に成功体験になったので皆さんの背中を押す材料になりたいです。

この記事を書いた目的はこれを伝えるためといっても過言ではないくらい、皆さんに伝えたい事です。

一か月で世界は変わります。プログラミングじゃなくても、なんでもいいです。自分に足りていないものがハッキリわかっている人がいたら、だまされたと思って1か月だけ取り組んでみてください。

さいごに


長文になってしまいましたが、できる限り飽きないよう工夫して執筆したつもりです。 一人の人間が持っている知識や経験。これが多くの人に伝わって、

一人で抱えている状態×人数分

の効果を発揮させることを覚えるのが、自分の次のステップだと考えています。 ということで、この記事が一人でも多くの人の背中を押せる記事になっていると、幸せだなぁ。


執筆者プロフィール:神野 嵐
父系4代連続のAB型として生を受け、見事妻がAB型の長女を出産することに成功したエリート中のエリート。
2021年10月、第二新卒としてIT未経験で株式会社SHIFTに入社し、テストエンジニア、アジャイル開発におけるQAエンジニアとして業務にあたる。2024年からは能力開発部に異動し、後進の育成に尽力。

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PHOTO:UnsplashMarvin Meyer

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