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《3回目》CATの原点と機能開発の変遷|大規模かつミッションクリティカルなプロジェクトで求められる機能とは?

こんにちは。CAT 推進グループ・石井優でございます。
SHIFTでCATを専任で開発している本グループ内にて、ユーザーサポート・要件抽出などを担当しております。

前回に引続き、弊社のテスト管理ツール「CAT」について機能開発の変遷のお話をいたします。

現在SHIFTが提供するCATとは、テストの実行管理に主眼を置いた正式名称「CAT TCM(Test Cycle Management)」という製品を指します。ケースと実行結果・エビデンスの管理、およびプロジェクトの進捗管理や品質分析を担うツールです。詳しい紹介はぜひ製品HPをご確認ください。

[CAT製品HP]

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前回までは、2016年から2019年前期まで、CATの基礎固め・オンプレ版のリリース・開発フェーズとCATの統合までのお話をしました。

2015年頃の発売当初と比べると、テスト、課題、進捗管理と基礎的な機能の土壌は整ったため、開発フェーズを支援する機能をどう作っていくか?という方向に目を向けていました。
その矢先、CATはまたひとつ大きなテーマに出会うことになります。


幅広いフェーズ管理への適用(2018年後期~2019年中期)

この時点で完成していたテスト管理に関わる機能は、2015年頃から2017年に搭載してきました。その頃CATが機能を開発するにあたり、想定していたユーザー層は次のようなチームでした。

• 1つのプロジェクトで10名から20名程度のチーム
• 業務はパッケージ製品やWebサイト等の開発およびその品質管理

この想定と実際に使っているユーザーの状況が、少し変わってきたというのが2018年頃になります。

業種や開発対象のシステムの種類はさまざまですが、ひとつ大きく言えるのは、1プロジェクトあたり50人から100人を超えてくる大規模なプロジェクトが管理対象になってきたことです。

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CATをリリースしてから3年、さまざまなお客様にご紹介してきました。そのなかで、従来想定していたお客様だけでなく、基幹システムや金融系システムの開発といった大規模かつミッションクリティカルなプロジェクトでも活用できる可能性があることがわかってきました。むしろ、そういったお客様にこそCATが必要なのではないのかと。

大規模なプロジェクトでも「テストケースの記載や整理にExcelを利用していること」は多いです。さらにプロジェクトの性質上、早期の遅延解消や品質リスクの分析といった状況把握が最重要になってきます。そこで、管理に適したUIとリアルタイム性を得意とするCATをご検討いただけるお客様が増えてきました。

ですが、大規模なプロジェクトを対象としてテスト管理をする場合、今まで想定きたユーザーとは少しテストの性質が違うことがわかってきました。
例えば、

• テストフェーズは、外部結合テストや総合テストといった後期のテストが対象であることが多い
• サブシステム間連携のシナリオテストなど、1ケースあたりのテスト実施時間が長く、ケース毎に予定を建てることが多い
• ミッションクリティカルな請求系のテストでは「結果を記録する作業」と「結果の正しさを検証する作業」を分けて行う場合がある
(金融系のお客様では再鑑と呼ぶこともあります)
• テストを実施して不要と判断されたケース(対象外)は進捗の母数から除外する運用が必要になる
• NGケースは進捗とみなさず、検出したバグを修正して全てOKになることを進捗とみなす
• 標準時間の異なる海外メンバーやテストの実施を3シフト制で回しており最終シフトは24時を超える

といった、状況があることに気づきました。しかし、CATではこれらの運用フローをサポートする機能が無いことを思い知らされます。

そこで、この時期から開発のテーマを「大規模プロジェクトをサポートする細かな機能」という点に大きくかじを切りました。そこで次のような機能を搭載しました。

• テストケース上での予定管理(予定日と担当者、テスト環境、工数)機能

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• テストの実施とその検証の進捗を分けて管理する監査テスト機能

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• 対象外のテストケースやNGのテストケースを進捗から除外するオプション機能

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• 22時から翌日9時までの進捗を、前営業日の進捗として取り扱う機能

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私はこのテーマに対応していったこの時期、とてもエキサイティングであると感じました。

というのも、2015年CATを販売していた当初、このようなお客様との接点が少なく、さらに基礎的な機能も固まっていませんでした。1回目で話したExcelの取込みや、2回目で話した細かな機能拡充を追うことが精一杯だったというのが私の体感していたところです。ですので、その時は「後期のテストフェーズの管理」や「細かい集計のカスタマイズ」といった要望は、CAT開発チームがまだ認識できておらず、要望があっても機能開発やお客様の課題を汲み取る余裕はありませんでした。

そのかわり、基礎機能の拡充と細かな利便性の向上を実施し、当初想定していたお客様の環境で満足いただける機能の提供に注力してきました。
2018年後期からこのテーマに取り組めるようになってきたのは、販売当初から造ってきた強い地盤があるからこそだったと考えています。

ここにCATというプロダクトの成長が垣間見えます。そしてその裏にはCATの開発・利用に関わったメンバーの視野、野望、苦悩などもあり、それらがすごく人間臭いんですね。「その運用をサポートしたいけど今はできない」「この要望の機能って本当に必要なのか」など、いろいろな仕様に対して常にディスカッションを繰り返してきました。ここでは語れないほど紆余曲折があります。

そういったなかで、新しいステップの課題に取り組めることがすごく刺激的に感じたのを今でも覚えていますし、そんなプロダクトに携われることに誇りに思います。

スターターライセンスの登場(2018年2月)

ちょっとここで、今までの流れのテーマとは少し違う話をします。
もう少しライトウェイトにCATを使いたいというご要望にお応えして、スターターライセンスを2018年2月にリリースしました。

これはWeb決済限定のご契約ではありますが、10ライセンスまで「月額1,000円!!」で利用可能な破格のバージョンです。一部の機能制限はあるものの、テスト管理・課題管理・進捗管理・品質分析など多彩で主要な機能はフルにご利用いただけます。

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特にテストケース数も無制限に登録することが可能です。登録できるテストケース数に関して制限がある場合、管理ツールの制限を理由にお客様のプロジェクトの管理ケース数を絞らなければならない、ということにも繋がりかねないと考えています。そうなると本来、品質向上を支援することが目的であるツールが、逆に品質を落とす原因にもなりえます。

これは本末転倒でありCATの「効率化と品質の向上の実現」という信念に反します。ですので、ケース数は無制限で登録できるようになっています。
また技術面では、MyCATという管理プラットフォームの構築や新しい契約システムなど、テスト管理とは別のテーマでの開発に挑戦しています。

このようなこだわりや挑戦があり、このエディションを提供することができました。小規模なプロジェクトや長期のトライアルで気軽に使うといったことも可能です。ご興味をお持ちの方はご確認ください。

この次は2019年中期以降の話。ここからまた状況がガラッと変わってきます。そろそろ2021年の現在に追いついてきましたね・・・。

まだまだ語り尽くせないお話はあってですね、実はこの後・・・・・・
おおっと、時間というものは残酷なものですね。また長く語りすぎて終わりの時間が迫って参りました。

この後の話はまた次回!それではまた~。

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執筆者プロフィール:石井 優
倉庫事業企業のシステム部門にて、基幹システムの開発・保守・導入および大規模基幹システム移行への参画を経験し、2015年SHIFTへ入社。
CAT開発チーム内でユーザーサポートとして、ユーザーと開発メンバーのブリッジを行いユーザーの課題分析や新機能提案などを日々実施している。

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