はじめに

みなさんこんにちは！SHIFT人事で、新卒採用を担当している小林です。

先日公開した記事 では、24卒採用活動の苦戦、そこから劇的V字回復をした経緯について紹介をいたしました。

1年前の3月末、SHIFTから内定を通知させていただいた学生の数はわずか3名でした。しかし現在進行中の25卒新卒採用は、3月末時点で既に100名以上の学生に内定を通知することができています！これは劇的な改善ができている、といってもよいのではないでしょうか。

この記事では、後半多くの苦労をした24卒生採用からの学びを、25卒生の採用活動においてどう変革していったのか。詳しくお伝えができればと思います。

膨大なデータを、誰でも簡単に、すぐに、見やすく！

今期、最も効果があったと感じる施策は　「数字の見え方」を大幅に改善したことです。

現在SHIFTの中で「新卒採用」は、経営目線で見ても非常に重要なテーマの一つで、目標とする採用者数は毎年数百名単位で増えています。

そんな大規模な採用活動を行うためには、日々チェックするデータの質がとても重要。リアルタイムで、見たい数値にアクセスできるよう私たちが用いたのはMicrosoft社の「Power BI」です。

採用管理ツールで取得した膨大な量の学生の情報（プロフィール関連情報のほかにイベント参加、面接予約など）のデータを連携・加工し、Power BI上でさまざまな角度から視覚的にリアルタイムに数字を確認できるようにしました。

例えば以下のような数字を、RPAで毎朝自動更新するようにし、いつでも、だれでもチェックできるようにしています。

1）年間目標、3か月毎目標から逆算した月ごとの目標に対しての達成率（各選考フェーズ毎）

＊月次目標との差異を常に意識し、目標GAPが開きすぎないように対策を立てています

2）現在の数値から着地シミュレーションを行った場合のGAPシミュレーション（複数パターン）

＊どのフェーズの数値を改善すれば目標達成に最も効果的なのかシミュレーション数値を比較することで目星をつけています

3）エントリー数/内定者数/承諾者数のシミュレーション比較・例年数値との比較　

＊現在の採用がうまくいっているのか？を視覚的に表現しています

4）各面接官の合格率・その後の選考の合格率や承諾率　

＊面接官毎の甘辛がないか、面接後承諾率の高い面接官から学べることは何かないか、等を常に確認しています

5）流入経路（学生との初期接点を持った媒体やイベントなど）別の効果測定　

＊生々しい話ですが、費用に対しての集客数、選考参加数などを細かく追っています。

それぞれの数値には「希望職種」「地域」「性別」など、さまざまなフィルターをつけることもでき、ほしい数字をクリック一つで組み合わせて取得することができます。

他にも、受けていただいているSHIFTの検定に関して得点分布を見たり、内定者分析・選考辞退者分析をリアルタイムで行ったり、各地域からどれだけの方にエントリーいただいているのか地図で表したり…などなど、20以上のページを設け、大小さまざまなニーズを満たす分析項目を設計しています。

もちろん過去にも同様の数値は常に見ていたのですが、Excel操作の得意・不得意によって同じ結果が得られなかったり、時間がかかったり。重いExcelデータをみんなで閲覧するとファイルが壊れてしまうなど、本来割くべきこと＜以外＞の時間が大いにかかっていました。

今ではこのPower BIのおかげであらゆる分析が即時に行えるようになり、業務効率は大幅に改善！

まだまだ利用方法に関しては日々改善中ですが、制作してくれたメンバーには本当に感謝しかありません……。（今後Power BI制作の裏側も、ご紹介できればと思います！）

ちなみにこうしたデータ連携の前段階として、採用管理ツール（ATS）上で取得する情報の精査も非常に重要なタスクでした。

いくらPower BIが優秀なツールでも、元データがある程度美しくなければ（マスターデータを極力加工の必要のない状態で収集できなければ）結局データをきれいにする手間が増えるだけです。

なので、まず「どんなことを分析したいのか」を明確に決め、逆算し、採用管理ツールで収集する項目を設計しました。分析しやすい環境を作り出すためには、データクレンジングが何よりも難しく、何よりも大切なのだと今回改めて学びました。

ちなみに24卒で利用していたATS（採用管理システム）上には計576、データを格納する箱があったのですが逆算方式で設計した結果、25卒の設計では197に縮小しました。これによって分析法面だけでなくデータを探す・更新する箇所も劇的に減り、採用に関わるチーム全体の時間削減ができたなと改めて感じています。

各種施策。現在出ている結果と、進捗に関して

25卒採用の目標は300名。今までよりもより多くの学生さんにSHIFTのことを知ってもらうことが必須。そこで、まずは「就職企業人気ランキング10位以内にランクイン！」を目標としてさまざまな仕掛けを施しました。

例えば…対面イベントにガンガン出展！魅力的なブースで印象に残す！

コロナが収束し対面イベント回帰の傾向がある中で、過去初レベルでブース出展に力を入れました。具体的な仕掛けとしては、「常識を剥がす」仕掛け。就職活動には学生にとって不条理な常識がたくさん。それらを「剥がす」ことで、SHIFTの思いを感じ取っていただく仕掛けを施しました。（剥がした紙はそのまま「新本社・麻布台ヒルズご招待！」の抽選券になる愉快な仕組みも♪）

来場特典のタンブラーも各回常に在庫が0になるほど人気で、おしゃれさにこだわりつくった甲斐がありました。

結果として、毎回300名以上の集客（会場の中でも1，2番手）結果を残しなんと4月9日（火）に発表された 「マイナビ・日経 2025 年卒大学生就職企業人気ランキング」では「ソフトウエア・ゲームソフト・ネット関連」部門で、5位にランクインすることができました！

▽ブース、仕掛け、タンブラー

他にも「文系男子部門」で71位（74票。前回順位1,228位）、「理系男子部門」で86位（38票。前回順位412位）と、共に100位以内にジャンプアップ。

（女性票を獲得できていないのは次年度課題…です！）

また、3月にはワンキャリア‐就活クチコミアワード2024‐ベンチャー部門にて＜Bronze＞賞を初受賞もしました。

▽クチコミはこちら

どちらの結果も、日頃「学生にとって良いコンテンツとは何か」を考え抜き提供し続けたことと、それにこたえてくれた学生の皆様のおかげとなっての受賞ですが、チーム一同目指していた結果が得られ心から喜び合いました。

素晴らしい結果も出ている中ではありますが、油断はできません。日々の進捗に関しても少しお話ができればと思います。

私は普段、役員に週次で業務報告をしていることもあり、週に1度、特に念入りに数値をチェックしています。

目標に対して数値が乖離している場合、それがなぜなのか。どこで課題が発生しているのかの仮説を主にPower BIを見ながら立て、その検証を行うためにあらゆるリソースから必要な情報を集める、という運用をしています。

そこで見つかった「歩留まりポイント」を毎週しっかりとクリアしていくことが、日々の進捗管理の中では非常に大切だと感じています。

例えば、イベントやナビ、スカウトなど 何かしらの媒体で接点を持った学生が初めの選考に進んだことを示す「検定受検率」。検定とは、SHIFTオリジナルの試験のことで、選考のはじめの一歩。検定に合格しないと、一次面接へは進めません。（新卒検定の狙いや内容についてはこちらの記事をご覧ください）

毎週数百名単位の学生が受ける「検定受検数」を増やすにはどうするか？ここでの1%の改善は非常に数字のインパクトも大きく、重要。次のフェーズへとバトンを渡すためにも、どうしても向上すべき数字の一つです。

具体的に何をしていったのか？の詳細は残念ながらconfidentialな内容となる為お伝えすることができないのですが、数値管理を始めた3か月前と比較して、検定受験率は24％向上に成功しています。

まとめ

今回は24卒生から25卒生の新卒採用チームの改善点、効果が表れた施策などについて、こんなに赤裸々に色々話していいのかな？と思いつつ、なんでも科学し開示していくのがSHIFTらしさと開き直り、ご紹介させていただきました。

25卒生の採用活動はまだまだはじまったばかり。ですが！26卒の採用も既に企画は始まっています。今回の改善に満足せずに、常に次の1手、いえ10手先を想像して「その常識、変えてみせる。」のタグラインを持つ企業として新卒採用の「新常識」を打ち立てていこうと考えています。

今後も採用に関わる方もそうでない方も、皆さんの脳を少しでも刺激できるような情報を発信していければと思いますので、今後の更新もどうぞご期待ください！

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